製造業が不人気です。
その原因はさまざまですが、3K(きつい、汚い、危険/きつい、汚い、給料安い)で説明されることが少なくないようです。
しかし、製造業の不人気の背景に、もっと深刻な原因があることを感じてきました。
それは「学びがない」です。
採用面接で、あるいは退職していく方々との面談で、
繰り返し耳にしたのは、
製造業には「学びがない、学びたいことがない、学んでも食べていけない」という指摘でした。
こうした指摘は、どれくらい真剣に受止められているのでしょうか?
確かに、給与水準の低さという問題は厳然とあります。
しかし真に意義ある仕事なら、ボランティアシップで頑張ってくれる方々もいる。
給与水準への不満は、実は不公平感の現れだったりすることもありますが、
会社が稼いだ付加価値の分配プロセスの可視化によって解決できる場面も少なくありません。
(これも新しい管理会計が目指していることの一つですが)
そして、言うまでもないことですが
製造業でも普遍的な「学び」は提供できます。
製造業が提供できる最善の「学び」とは、
様々な課題にしっかり向き合い、それを乗り越え、変えていく過程の共有だと思う。
ところが、製造業はなかなか変われない。
変われない製造業は、チャンスのない仕事、成長の無い仕事、学びの無い仕事です。
私は、変われない製造業の象徴を、たとえば朝のラジオ体操に見ます。
体調を整える、怪我や腰痛を防止する、チームワークの涵養等々、
その利点はいろいろあるのかもしれません。
しかし、創出されて90年になるのに、世界に広がる気配はない。
案外とだらだら行われていることも少なくない。
全員参加を強要され、嫌がっている若い方々を私は知っています。
本当に大切なことなら、一度真剣に話し合ってみては如何でしょう。
Q.現状のラジオ体操が本当に最善メニューなのか?
Q.もっと工夫し、進化させる余地は無いのか?
Q.全員参加を強要するべきものなのか?
異論歓迎、話しをしてみることが大切なのです。
それがイノベーションへの入口にもなっていく。
「やっぱり良いね」となったなら、本気でしっかりやったら良いと思います。
ラジオ体操を見直せば、きっと毎日のスタートが変わります。
見直されることも無く漫然と行われている(かもしれない)ラジオ体操が、
だらだらした1日の始まり、
全員参加や協調の強要、
いつまでも進化しない仕事の象徴にならないよう
くれぐれも注意してください。
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