ご存じだったでしょうか。CO2の排出は3つに区分されています。
スコープ1
自社の燃料使用によるCO2排出
スコープ2
電力等の使用に伴う間接的なCO2排出
スコープ3
事業活動の上流・下流・周辺からの(つまり自社外の)CO2排出
スコープ1と2は燃料や電力等の購入伝票をチェックすれば良いので、算定も検証も可能です。でも、スコープ3はかなり問題。
まず、どこまで含めるのか曖昧(上流ってどこまで? 下流ってどこまで? 周辺ってどこまで?)ですし、自社外の活動なのでエビデンスが揃いません。排出量の計算は仮定や推定で行われます。
もちろん、
各社が環境に配慮してスコープ3の削減に取り組み、自主的なアピールをすることは良いことだと思いますが、スコープ1や2とは明確に線を引くべきだと感じます。
検証できないものを混ぜれば、数値全体の信頼性が下がるからです。
現に、スコープ1や2の取り組みの遅れを、スコープ3の数値操作で挽回(?)してみせたり、スコープ3の責任転嫁という新しい形での下請けいじめも起こり始めている。
仮にこれから、
CO2の排出削減と開示と監査を義務化するなら、スコープ1と2に留め、スコープ3は自主開示の推奨くらいにするべきではないかと感じます。
でも、こういう話しをすると
「やらなきゃいけないんです!」
「地球がもたないんです!」
という感情的な話にもなりがちなので、ちょっと厄介。
環境に消極的だから言うのではなく・・・
各社にきちんとした取り組みを促すためにこそ、申し上げています。
それは、国内各社の真の経営革新を促し、日本が30年間も逃げ回ってきた抜本的な生産性改を促して行くためにも、しっかり議論されるべき重要なポイントです。
会計士さんは監査や数値検証の専門家なのですから、こうした議論を省庁にもどんどん発信していくべきだと感じます。
(制度をどんどん複雑にして、新手のサービスを作り出すだけではなく!)
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