高い流動比率と高い自己資本比率の行方

今まで何度か出版物を作るのに
何度も何度も理想のB/Sを書いてみようと試みてきました。
ところが、それが案外と難しい。

登場するのは、
運用側(借方)に、流動資産と固定資産
調達側(貸方)に、流動負債と固定負債、そして純資産。

満たすべき要件はとりあえず3つ。

<要件1>
一般に、流動比率は150%~200%が良いと言われています。
流動資産の金額を、流動負債の2倍近くにするということです。

<要件2>
在庫回転数の見地から、在庫(原材料・仕掛品・製品)は少ない方が良いと言われます。

<要件3>
自己資本比率は50%を超えると良いと言われています。
流動負債と固定負債の合計と、純資産をほぼ同額にするということです。

こうしてできあがるB/Sを眺めていたら、一つの違和感が湧いてきました。

例えば、要件1と要件2を満たそうとすると、どうしても多額の当座資産(売上債権と現金預金)を寝かさざるを得ません。そしてこの寝ている当座資産がどこから来ているかといえば、要件3が要請する高い自己資本比率によって、かなりの部分が純資産から来るということになります。

結局のところ、
かなりの額の純資産(≒株主資本)が、有効な運用もされずに当座預金として寝かされます。これでは経済社会が発展するわけがありません・・・

その一方で、
流動負債や固定負債(銀行から借り入れている他人資本)は、寝かされている当座資産でしっかりカバーされているという姿に見えてきました。

言い換えると、
取り立てが厳しい銀行の貸付金(金利も確定している)が手厚く保護され、
モノ言わぬ株主の出資金(金利は確定していない)の効率的な運用が後回しにされている
という形が存在しているように思います。

何が良い/悪いという主張をここでするつもりはないのですが・・・

関連記事

RELATED POST

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP
MENU
お問合せ

TEL:080-2090-1172

(月 - 金 9:00 - 18:00)