「見せるための会計」と「良くするための会計」
これは同じものでしょうか? 違うものでしょうか?
「両者は同じでなければならない!」
などと建前を振り回していたら、日本の経営に新しい地平は見えてきません。
「見せるための会計」(いわゆる財務会計やサステナブル開示を含みますが)には、どうしてもキレイに見せたい、経営課題を見せたくないという意図が働きます。
それは当然のこと。
でも「よく見せること」が、必ずしも「実態を良くこと」に繋がるわけではないという現実には十分注意を払わなければなりません。
実態を本当に良くするためには、
経営課題を赤裸々かつ率直に把握し、適切に手当てし、施策の効果を評価しなければなりません。
成功も失敗もあるはず。
その把握のために使われる会計(良くするための会計)は、よく見せるための会計とはかなり違う姿になるはずです。
財務会計が「良くする会計」になりえていないのは、例えば以下の場面です。
①売上原価がたった一行であること(作られなくなった製造原価明細書)
②販管費がたった一行であること
③売上原価と販管費を分断することの不合理
④資本コストを営業外費用に区分していることの不合理
⑤売上原価が変動費ではないこと
⑥販管費が固定費ではないこと
⑦P/Lに表現されることがない原価差異
⑧減価償却のかかえる不合理
⑨固定資産のオフバランス化が試みられること
⑩期末在庫の圧縮操作
などなどなど・・・
もちろん、
会計だけで経営課題が解決できるわけではないかもしれませんが、
正しい会計が無ければ何も始まらないのも事実だと私は思います。
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