会計には大別して財務会計と管理会計があります。
管理会計の目的は、経営管理に必要な情報を提供して強い会社を作ること。
財務会計の目的は、決まり通りの方法・体裁で業績を外部開示することです。
2つの会計が違うのは、①作成目的の違いと、②開示の決まりが時代に追いついていないから。
ではなぜ、中小製造業の管理会計が大企業と同じであってはいけないのか?
実は、多くの会計専門家の関心と指導は、開示の決まりに極端に偏っていました。
その一方で、経営管理のための会計は、ずっとほったらかしだったのです。
こうした会計の現実が、中小製造業にとって2つの困った場面を作り出しています。
場面1:経営実務に携わる方が、自社の経営課題に合った管理会計を構築しようとする時に、参考にすべきものがない
場面2:自社の実情に合った管理会計を構築しようとしているのに、会計専門家から「きちんとやりましょう」と不適切な指導を受ける
もちろん「きちんとした開示の会計(財務会計)」は大切なものです。
しかしそれはあくまでも開示の方便であり、必ずしも良い経営を意図して作られたものではなかったことには注意が必要です。
日本30年の生産性低迷に終止符を打つ力もありません。
それでも、体力ある大手製造業なら、なんとかやっていけるのかもしれませんが、日々の経営課題と戦う中小製造業は困ります。
そこで別途に、中小製造業が会社の経営課題に合った管理会計を構築したり、開示の専門家と話し合い連携していくための、管理会計の正しい知識の必要性を強く感じています。
歴史的円安、物価やエネルギー費の高騰、世界的な自国主義の広がり、戦争、異常気象の影が日に日に濃くなっています。
あるべき管理会計の姿が、平和な時代に活発にしっかり議論されてこなかったことは残念ですが、それは未来に残された伸びしろの大きさかもしれません。
ぜひ正しい管理会計で逆境をチャンスに変え「成長と分配の好循環」への一歩を力強く踏み出してください。
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