売上高から売上原価を引いて粗利を求め、
粗利から販管費(販売費および一般管理費)を引いて営業利益を求める
今まで誰も疑うことのなかったP/Lの常識ですが、
なぜ、売上原価と販管費を分けて利益を求めるのでしょうか?
売上高-全費用=営業利益
としないのは何故ですか?
もしかしたら、
「売上原価=変動費」だと思われているのかもしれません。
例えば
売上高が2倍になれば、売上原価が2倍になり、
粗利も2倍になるのではないかと。
しかし現実には、
売上原価は変動費ではありませんし、
販管費(販売費および一般管理費)も固定費ではありません。
両者とも、変動費と固定費の複雑な混合物です。
しかも、
高度な設備投資等で売上原価(≒製造原価)の固定費化が進んでいます。
納期短縮のための配送費や情報検索のためのデジタル費用などにより
販管費(の中の販売費)の変動費化も進んでいます。
それではなぜ、売上原価と販管費を分けて利益を求めるのか?
「分けるべきではない」というのが私の結論です。
実際、昨今の事業活動は高度化・複雑化していて
どの費用が売上原価(≒製造原価)、
どの費用が販管費なのか、を見分けることは難しいです。
無理に区分をすることで、過誤や故意による利益操作も起こります。
(粗利を大きく見せる操作が好まれる傾向があるようです)
製造原価のコストダウンばかりが注目されて
販売費の戦略的管理が疎かにされたりもします。
昨今は、どこの会社も似たり寄ったりの製造原価よりは
販売費で差が付くケースが増えているにもかかわらず・・・
と、考えれば
売上原価と販管費を分けることには百害あって一利なし。
むしろ多くの方の期待に沿って、
売上高から全ての変動費を引いて粗利(※)を求め、
粗利(※)から全ての固定費を引いて営業利益を求める
とすれば良いじゃあないですか!
というのが、私からの提案です。
※この粗利は、実質的な「付加価値」でもあります。
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