まず最初に、変動費/固定費ってなんでしょう?
変動費:売上高の増減に比例して増減する費用
固定費:売上高の増減にかかわらず発生する費用
そんな感じでしょうか。
では、ここで続けて質問。
固定費と間接費って同じものですか?
変動費と直接費って同じものですか?
さらに進んで、
販管費と間接費は同じものですか?
しばしば、
固定費発生部門って「間接部門」と呼ばれます。
生産現場は「直接部門」と呼ばれます。
そういえば、
変動費原価計算(と期待されているものは)「直接原価計算」と呼ばれている。
それならば、
変動費=直接費=売上原価
固定費=間接費=販管費 ということでしょうか?
なんだかおかしいですね。
確か、売上原価も販管費も、変動費と固定費の混合物だったはず。
どこで議論を誤ってしまったのでしょうか?
実は、今までの直接費/間接費の説明の仕方に問題があったのです。
多くの専門サイトで調べると、こんな風に説明されている。
直接費:生産活動に直接的に関連して発生する費用
間接費:生産活動に間接的に関連して発生する費用
でも、
間接的に関連して発生する費用なんて無限に存在します。
そんなことを言っていたら、世界中の森羅万象が全て計算対象になってしまいます。
私なりに状況を整理すると・・・
直接費(直接変動費):変動費のうち、生産活動に関連して直接的に測定されるもの
間接費(間接変動費):変動費のうち、生産活動に関連して間接的に測定されるもの
直接変動費の代表例は、主要な原材料費など。
原価計算の方法は「直課」です。
間接変動費の代表例は、水道光熱費や電気代など。
工場でメーターが1個しかないなら、「配賦」で原価計算することになります。
少し補足しておくと、
固定費は金額が決まっているので測定は不要です。
逸脱の有無だけをチェックすれば十分。
(その後、生産性の評価へと進みます)。
結局、直接/間接の使い分けを決めるのは、
どの程度、正確に数量差異を管理したいのかという経営の意思です。
直接測定すれば管理精度は上がりますが、管理コストも上がってしまうからです。
ですから、こんな感じになるはず。
高精度で使用量を管理したい変動費:直接測定(直課)にしよう
管理精度はそれほど必要ない変動費:間接測定(配賦)にしよう
固定費は金額で管理される費用なので、測定不要。
細かい話だなあなどと思われたら困ります。
経営目的に沿って費用管理の方法を決めていくのは当然のこと。
どれが変動費で固定費なのか?
どれが直接変動費で間接変動費なのか?
それは、あるべき会社の姿を考えることでもあります!
コメント
COMMENT