日本のGDPが伸びない、
日本の生産性が上がらない・・・
こうした問題を解決するには、付加価値の管理が必須です。
しかし、従来の会計は付加価値に無関心でした。
しばしば誤解があるところですが、
いわゆる粗利は付加価値ではありません。
では、付加価値はどうすれば求まるのでしょうか?
GDPの計算基礎になる付加価値の計算方法に
控除法(中小企業庁方式)と加算法(日銀方式)があります。
控除法は、
売上高から外部購入費用を差し引いて付加価値を求めます。
若干の例外はともかくも、外部購入費はおおむね変動費だと考えられますから
売上高-変動費=付加価値
ということになります。
これは、会社が付加価値を稼ぎ出す過程を示しているとも考えることができます。
他方、加算法は、
労務費や減価償却費や金融費用等の合計で付加価値を求めます。
これは、会社が稼ぎ出した付加価値をヒトやモノやカネといった経営資源に分配する過程を示していると考えることができます。
以上により、控除法と加算法を連結すれば、
会社が付加価値を稼ぎ出し、それを経営資源に分配する過程の全体を示せると思います。
実際にやってみると、こんな感じ。
売上高
-変動費
=付加価値
-ヒト・モノ・カネの固定費
=株主利益
一般に、今まで売上高-変動費=変動利益と表記されてきましたが、
付加価値と表記する方が、計算意義が明確になると感じます。
更に考察を進めると・・・
売上高から変動費を控除して付加価値を稼ぐまでの過程(かせぐ)は、経営者から担当者に委ねられ、業務的意思決定の対象になる活動です。
それに対して、
付加価値を、ヒト(労務費)、モノ(設備投資)、カネ(資本コスト)にどう分配するかを決定し、強い会社を作っていく過程(わける)は、経営者が直接担って経営的意思決定の対象になる活動です。
そして「かせぐ」と「わける」の間に、生産性評価が入ってきます。
経営者はこの生産性評価の結果に基づいて、労務費・設備投資・資本コストの維持・補強・支援・放棄等を決定することになるからです。
売上高
-変動費
=付加価値
(ここで生産性評価)
-ヒト・モノ・カネの固定費
=株主利益
こうして考えてみると、
事業や日本経済(GDP)を成長させ、生産性を向上させていくためには、変動費と固定費をしっかり分離すること(固定費の配賦もしない)が不可欠の条件であることが、改めて理解いただけるのではないかと思います
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